不透明な時代に必要なこと
昨年は世界が大きく変化した年だったように思います。アメリカでは初の黒人大統領が誕生し、日本でも戦後始めてといえるような政権交代が行われました。経済の環境も百年に一度の不況と言われ、大きなうねりがあった年になりました。我が社も市場の厳しい変化に見舞われました。上期は受注が冷え込み、今年はかなり厳しいぞという気持ちになりましたが、9月頃から大口の案件も入ってきて、何とか黒字決算に持っていけそうなところまで来ました。今年も二番底が来るかも知れないというような予測もあり、どうなるか誰も今年の景気や市場環境を予測の出来ない状況だと思います。こういった不透明な時代には何を拠り所として進めていけばいいのでしょうか?表面の状況の変化には関係無く、いつも変わらず脈々と社会や時代の根底に流れている宇宙の原理原則があるように思います。それを見極めて、その流れに沿っていくのがいいと思うのです。
私自身を振り返って見てみると、自分はとても運のいい人間だなと思います。去年も仕事がないなと思っているところに都合よく大型の請負の仕事が入ってきたり、10年前から積み立てていた保険金がこの不況期にちょうど満期になって何千万もタイミングよく入ってきたりしました。個人的にも予期せぬお金が入ってきたり、タイミングやめぐり合わせが良く、人生がうまく廻ってきているような気がします。「運がいい」ということはどういうことなのかを考えてみたいと思います。
原理原則に沿うとうまく行く
世の中の物質現象が科学の力で次々にそのルールが解明されてきているように、社会現象や人生にも大いなる宇宙の原理原則があるように思います。因果関係を論理的に説明するのは難しいのですが、「悪いことをして一時的には儲かっても、続けていたら結局それ以上の損をする」とか「愛せば愛されるし、憎めば憎まれる」とか私達にも充分理解できる原理原則もあります。この宇宙の原理原則に沿っていると「運がいい」ことが起きてくるように思います。「自分の思いが実現する」「思いが人生を創る」と言うのも原理原則のひとつだと思います。今自分が幸せだと思っている人には幸せなことが起きてくるし、自分は不幸せだと思っている人には不幸せなことが起きてくるようです。宇宙の原理原則、天の声、神の意思、いろいろな言い方がありますが、それらは今が一番幸せなのだということを伝えようとしているようです。人は病気や事故、トラブルに巻き込まれた時に始めて、今まで自分が幸せの中で生きていたことを知るというところがあります。今自分が幸せだとわかっていない人には「今が君は一番幸せなんだよ」と言うことを教えようとする神の意図が働くようです。それに気付かずに「私を幸せにしてください」と念じた時に、神は病気や災難、トラブルを与えてくれるのです。それは今の状態がいかに幸せかを気付かせるためなのです。だから不平・不満、悪口などは絶対言わないほうがいいのです。悪い現象を招いてしまいます。逆に楽しい、幸せ、嬉しいと思っている人はそういった現象をさらに招きよせてくるのです。
今が一番幸せ
ではどうしたら幸せになれるのか?その答えは簡単です。今、この瞬間に「自分は幸せだ!」と思えばいいのです。幸せと言う現象が存在するわけではありません。現象を幸せと認識するかどうかです。世の中の現象に悲劇も幸・不幸も存在しないのです。そう思う心だけが存在するのです。そして今が幸せだと思っている人にはさらに幸せなことが起きてきます。神の意思と言うけれど、それは人々の意思と同じだと思います。例えば僕が誰かに食事をご馳走した時、相手に「凄く美味しい!ありがとう!」と言われると、さらに美味しいものを又ご馳走したくなります。でも「あまり美味しくない。もっと美味しいものをご馳走してよ!」と言われると、次にご馳走したいと言う気持ちがなくなってきてしまいます。神の意思も人の意思も同じなのだと思います。求めると遠ざかっていってしまいます。感謝をしていると入ってきます。さらに与えるともっとどんどん入ってきます。
お金も使えば使うほど入ってくる
お金の流れもそうだと思います。使えば使うほど入ってきます。勿論個人の贅沢などに使っていてはだめです。自分の成長の為とか、誰かの役に立ったり、誰かに喜ばれたりするお金の使い方をしているとどんどん入ってきます。お金は貯めてばかりいてはだんだん入ってこなくなるようです。お金は使ってこそ価値を生むのです。他人の為に使えば使うほど入ってきます。そうすると自分の為に使う分も余裕が出来てきますし、そのうち自分の為も他人の為も一緒になってきます。勿論現実的には自分の使いたい分にも事欠いているので、他の人に使えるような余裕はあまりないと思いますが、それでも多少のことは出来ると思います。お金は欲しがるのではなく与えるのです。欲しがると入ってきません。「金をくれ!」と言われると出したくなくなります。「お金をくれたらやります」という態度を見せられると「もういいよ」という気持ちになります。「お金じゃない。あなたの役に立ちたいのです」と言われると、そういう人に払いたくなります。お金も愛情と同じだと思うのです。愛情も周りの人に使えば使うほど入ってきます。欲しがってばかりいてはだめです。愛情を受けとるだけで自分の中に貯めていてもだめです。人の心を考えた時にこれは容易にわかります。お金も人を経由して入ってきます。人の気持ちを考えた時、人はお金をどういう人に使いたいのか?お金はどういう人のところに行きたいのか?容易にわかります。周囲の人が幸せになるために使えば使うほど入ってくるのです。お金も愛情もそういう人のところに行きたいのです。
言葉が一番大事
年末の一言メッセージで『「自分の思いは実現する」という有名な言葉がありますが、僕は「自分の思いを言葉に出し続けると実現する」と言う感じがする』と書きました。もの事が実現していくためには強い"思い"があって、それを"言葉"に出し、"行動"することが大事ですが、一番大切なのは"言葉"だと思います。言葉も行動の一部とも思いますが、"言葉"は"思い"よりも重要だと思います。「言葉が現象を生み出す」のです。「思い通り」というより「発した言葉通り」になるのではないかと思います。だから「不平、不満、悪口」などは絶対に禁句です。そういった現象を招いてしまいます。又不安や心配もいけません。それを言っていると実現されてしまいます。いつも「楽しい、嬉しい」と言っていると楽しいことや嬉しいことが起きてきます。特に大切な言葉は"ありがとう"だと思います。強い波動のエネルギーを持った言葉だと思います。ありがとうは「有り難い」-「有ることが難しい」、「有り得ない」ことを意味しています。語源としては、そういったことが起きた時に神仏への感謝の意味として使われていたそうで、人に対して使われるようになったのは室町時代以降だそうです。だから「ありがとう」を言い続けると有り得ないようなことが起きてきます。末期ガンになった人の中で自然治癒で治る人が500人に1人ぐらいいるそうです。その人達に共通することは「ガンになって良かった」と思っている人達だそうです。「ガンになって始めて、皆に支えられながら生きてきたことや人生で大切なことがわかった。ガンに感謝しています。」と言っている人達だそうです。感謝や笑い、感動した時の涙などはガンを殺すキラー細胞を増殖する働きがあるそうです。物質は波動によって影響したり、影響を受けたりします。「ありがとう」と「ばかやろう」といい続けた水の結晶は全く違った形になるそうです。前者は雪の結晶のように綺麗な模様を作り、後者は爆発した時のような不気味な形を描くようです。人の体の70%は水で出来ています。だから良い言葉を使うと体にも良い影響を与えるのだと思います。良い言葉を使っていると病気になりにくいのです。老化も遅いようです。言葉は他人にも影響しますから、良い言葉は周囲の人達にも良い影響を与え、良い人間関係が生まれ、多くの協力的な関係が生じます。又物質にも影響するので、いい現象も生じさせるのです。
自分を変えると周囲が共鳴して変わる
世の中は今、大きな変化、うねりの中で混沌としています。来期以降もどうなるのか予測がつきません。こういうときは原理原則を考えて、その流れに沿うのがいいと思います。原理原則に逆らっていたらいくら努力しても良い結果は出ません。他人を騙して儲けようと、他の人の倍努力していても良い結果は出てこないのです。人は共鳴します。社会や現象も共鳴します。うまくやりたいのなら周りを変えるのではなく、自分を変えるのです。そうすると周囲がそれに共鳴して変わっていきます。自分がいつもニコニコして幸せでいれば、周囲もそれに共鳴して良くなっていきます。運も良くなっていきます。楽しいこと、素敵なことをいつも考えて口に出していきましょう。いつも心を素敵な思いで満たしておきましょう。「念じれば通じる」という言葉の「念じる」とは、"今の心"を大切にするということです。身だしなみやオシャレも大事です。自分の気分がいいとその気持ちが周囲にシンクロしていきます。ダイエットしたい人はダイエットしましょう。すっきりしたプロポーションになると気持ちも良くなっていきます。ダイエットがうまくいかない人の口癖は「私は水を飲んだだけでも太っちゃう」とか「寝る前のこの一口が太るのよね」とかで、"太る"という言葉を発しています。「私はいくら食べても太らない」とか言っていないとだめです。言葉に出すと自分の行動にも影響を与えるのだと思います。言葉の影響は大きいのです。「私は絶対に病気をしない」と言っていると本当に病気をしなくなります。そう言っていて病気になっちゃった時は、まだまだ思いが足りないなと思えばいいのです。実践は"いい"加減にやるのが大事です。
状況に問題があるのではない。状況に対応しようとしない人間性に問題がある
去年は「需要創造型のSEを目指して」と言うテーマで何回か研修をしました。一人ひとりがシステムやモノを作るだけではなく、需要を創造できるようなSEを目指すことによって、我が社も大きく飛躍できます。新しい客を獲得することよりも、まず今のお客様を大事にしましょう。自分が儲けることより、いかにお客様の役に立つか、いかにお客様に喜んでもらえるかを考えましょう。今のお客様の満足度を上げることが出来ないで、新しい客に目を向けてもだめです。お客様の満足度を上げることはいつでも、いくらでも出来ます。人気の無いラーメン屋はその店の味が人気がないというより、ラーメンの味を変えようとしないで、「不景気だから」とか「お客がこの味の良さをわからない」とか言っている、その人間性が人気が無いのです。「不景気だから受注が無い」と思っていると、その気持ちが周囲に伝わっていくのです。受注が無ければ受注を取るために、いろいろ考えて行動を起こしていれば、その思いが周囲に共鳴して次第に状況が変わってくるのです。「他人や周囲の状況をいかに自分の思い通りにするか?」で悩んではいけない。状況に対応している自分の姿勢、自分の考えを変えるのです。「自分がどう生きるか?」だけが唯一自分の考えるべきことです。人生はその人の生き方に見合った結果が必ず返ってくるのです。
3月には社員総会があります。社員総会では皆の熱い思いを言葉に出して発表し、そしてそれをいつでもどこでも言葉に出し続けましょう。そして小さな事からすぐに実行しましょう。「何もしないと何も起こらない」のではなく「何もしないと嫌な事が起こる」のです。我が社には"運のいい"人、原理原則に沿って生きている人が一杯いるように思います。その皆の思いを結集していけば、かなり大きな変化を起こせるような気がします。うまくいっているときはやり方も考え方もなかなか変えられません。こういった厳しい時期こそが変えられる、成長できるチャンスです。今年は最高のチャンスです。個人も企業も大いに飛躍しましょう。
2010年(平成22年) 1月5日
株式会社エスピック 代表取締役社長・島 至