2023年の年頭所感

皆様、明けましておめでとうございます。

♯3年ぶり

毎年、年末になると日経新聞社からその年のヒット商品番付が発表されます。2022年のヒット商品番付では「♯3年ぶり」という言葉が西の横綱に選ばれていました。緊急事態宣言や行動自粛を求めていた政府のWITHコロナへの政策転換もあり、コロナ禍で中止されていた祭りやイベントが各地で3年ぶりに再会されたこと表現しているようです。
 
当社も11月には3年ぶりの会社イベントを行うことができました。1泊の社員旅行としては神戸以来の4年ぶりとなります。参加者の1/3は家族であり、0歳児、1歳児、2歳児と小さなお子さんの参加が目立ち、社員旅行を楽しみにされていた家族がこんなに多かったのだと実感しました。
 
旅行中は幹事以外にも多くの有志の皆さんが活躍してくれました。わんこそば大会やパーティを盛り上げ、ムービーを創ってくれたのも有志の社員です。企画を練るには短期間で大変だったと思いますが、有志の皆さんのおかげでとても素晴らしい社員旅行が出来ました。
 
私達の仕事のエンジンは「人」です。そのエンジンである人のモチベーションを自ら進んで上げられることは仕事で業績をあげると同様、とても有意義で価値ある行動だったと思います。人は自ら価値を提供し他人を幸せに出来た時、自分も強い幸福感を感じるそうです。この幸福感には更なるメリットがあると言われています。アメリカの研究では、生活水準などが同じでも幸福感がより高い人は自然と他者の利益を意識した行動に向かい、仕事に対する満足感も高まり、結果として収入は約2割増し、人間関係もより豊かになる傾向があるそうです。また、負傷、疾病、死亡リスクもより低くなり、寿命が7.5年ほど長いこともわかっています。
 
今回の社員旅行では今や当社の文化となっている社員旅行やイベント、委員会活動や部活動には自発的に参加している社員が幸せを感じ成長できる気付きの効果があると改めて感じました。
 
私のミッションは「社員が働く場」としての会社作りと併せて「社員やその家族が生活する場」としての会社作りだと考えています。それらを引き継ぎ、そして伝えていくためにもコロナなどまだまだ外部環境に影響は受けると思いますが、社員旅行や会社イベントはこれからも積極的に取り組んでいきたいと思います。

ソリューションのベストセラーより人としてのロングセラー

業績のほうは、5年前から取り組んできた第6次中期計画もいよいよ残り3ヶ月となりました。
売上、社員数、経常利益率の3つの数値目標を掲げ、7つの事業方針にそって、ステージをあげていこうと取り組んできました。
5年間で社員数を約1.4倍、売上は約1.6倍、経常利益率は上場企業並みといった目標は計画策定時にはかなりハードルが高いかとも考えましたが、概ねクリアできるような状況を迎えて大変嬉しく思います。
 
業務内容においても社員のステージが上がってきたことを強く実感しています。
ここ5年で基幹システムのリプレースなど大型の案件を任される機会が増えてきました。一つ一つの受注規模も年々大きくなってきています。
 
お客様が見ているのは日々の姿勢です。革新的な提案や高い技術力が全てではありません。言い換えると私達が優秀かどうかでなく、
「私達の考え方 × 日々の姿勢 = 生き方」なのだと思います。
 
お客様に選ばれるには、「うちの技術やソリューションは素晴らしいので、是非契約お願いします。」と言っても勿論NGです。かといって付き合いも浅いうちに「お客様の経営課題は何ですか?」と聞いても答えてくれるわけがありません。
 
私達がお客様の「生の声」を聞き、利用者の立場で「本当に欲しい」と思われる機能は何かを見つけだし、こつこつ提供していく姿を見て、「是非、次の大型案件も一緒にやっていきましょう。」と声をかけて貰えているのだと思います。
 
うちは、ソリューションのベストセラーやヒット商品はあまりなかった気がします。ですが、人としてのロングセラーを続けている社員はたくさんいると思います。そういった社員の存在が会社の55年の歴史を支えてきたのだと思います。
 
お客様に取り組む姿勢は人に寄り添える力として会社内部でも見受けられるようになりました。
毎年行っているストレスチェックでは、「家族や友人からのサポート」より「上司や同僚からのサポート」の点数が常に高い状態で伸びてきました。結果として、この5年間で離職率や総合健康リスクの値が健康経営優良企業と呼ばれる会社に負けないほどの数値になってきました。採用では、接している社員の人柄で入社を決めましたと言ってくれる内定者も年々、増えてきています。
 
コロナという想定外の事もありましたが、「Good People Company」の企業理念に相応しく社員一人一人の成長によってもはや5年前には戻りたくないと思えるほどに会社のステージがあがった第6次の5年間となりました。

激動の時代こそ、RANGEを拡げる

4月からは新しく第7次中期計画の5箇年がスタートします。具体的な数値目標や方針などは社員総会で発表します。ただ、第6次を振り返ってみても、目標の数値それぞれに大きな意味があるのではなく、目標を掲げてその達成に向けて全社で努力・行動することに大きな意味が見出せるのだと思います。
5年後に私達一人一人が成長を実感出来たら、第7次も会社は飛躍的な成長を遂げていると思います。成長していくということは学んでいくことです。
現代経営学の祖として有名なピーター・ドラッガーは「21世紀に重要視される唯一のスキルは新しいことを学ぶスキルである。それ以外はすべて時間と共に廃れていく。」という言葉を残しています。IT業界の進歩を見ても、この言葉には非常に納得出来ます。更にドラッガーの言葉に付け加えると「学ぶ」ことで重要なことは自分のRANGEを拡げて、現在の自分が持っていない考えや周囲の多様な価値観を受け入れ吸収していくことではないかと思います。
IT業界では「ものづくり」の力だけでなく、多様な社会や企業の課題を解決する力が求められてくるようになりました。一人だけでは解決出来ることに限りがあります。自分とは違った価値観を持つ新しい仲間とタッグを組んで「3人寄れば文殊の知恵」の状態を作り出していく必要があります。
そのためにも異業種との交流や自分の業務外や社外の人との関係性、そしてその周囲とフラットにお互いを高めあう姿勢が益々、重要視されてくると思います。
自立とは他人の力を借りないで一人で何でもやろうとする孤立とは違います。真の自立とは自分から様々な人に依存を求め、多くの人に依存し、それぞれの依存先一人一人に対する度合いが小さくなった状態を指すのです。
 
2022年はロシアによるウクライナ侵攻、元首相に対する銃撃事件、急激な円安や
インフレなど激動の1年となりました。2023年は更に加えて、世界の経済に最も影響を与えているアメリカでこれから本格的に深刻な不況が始まるのではないかと考えられています。台湾海峡などの地政学リスクも年々、高まってきており、今年も私達を取り巻く世界はまだまだ予断を許さない状況です。
こういう時代こそ、内向き指向にならず会社も個人もRANGEを拡げていき、全く新しい分野に挑戦していきましょう。
 
今年度もあとわずかです。
今年の干支のように、大地を飛び跳ねるうさぎの如く大きく飛躍して勢い良く第7次に臨んでいきたいと思います。
 
本年もどうぞよろしくお願いします。

2023年1月5日

株式会社エスピック 代表取締役 白川 満貴