2020年の年頭所感

皆様、明けましておめでとうございます。

いい流れで終えた2019年

2019年は年初に懸念されていた消費税増税後の落ち込みや米中貿易合戦、Brexitの世界的な影響なども特に感じることなく、コアとなるお客様からの受注に支えられ、いい流れの中で1年を終えることが出来ました。
主要なお客様やパートナー様との取組みが計画を1年前倒す形で業績を後押しし、働き方改革においては残業時間の削減など順調に取り組めたと思います。
苦戦を強いられていた採用も結果としては歴代2位の採用数となり、採用PJT全体を大幅に活性化することが出来ました。社内イベントや採用イベントにおいては4月入社の新人を中心とした若手社員の活躍が特に目立っていました。
若手から中堅、ベテランまでそれぞれが持ち味を発揮し成果が出せた2019年だったのではないかと思います。

2020年も世界は不安定

ただ日本国内では昨年後半から製造業の落ち込みが目立つようになりました。
本来、それを支えるべき役割の金融機関も更に深刻な状況のようです。
世界を見渡してみると、トランプ氏の再選が予想されるアメリカ大統領選挙の結果次第では、米中貿易合戦が再発する恐れも多いにあります。Brexitがどういった決着を迎えるのかもまだわかりません。逃亡犯条例改正案を契機とした香港での抗議活動も半年以上にわたって続いていますが、収束は見えない状況です。
年明け早々、緊迫したアメリカとイランとの間での中東情勢、北朝鮮の動向など、地政学的にも2020年はまだまだ世界は不安定な状態が続きそうです。
必要以上に恐れることはないですが、景気後退が囁かれているオリンピック後は特に世界情勢、日本国内の景気の動向には注意しておく必要はありそうです。

IT業界に対する期待は益々増加

そのような状況の中、我々IT業界に対するお客様の期待は益々上がってくると予想されます。
ちょうど1年前はAI、RPA、DX(デジタルによる変革)、PoC(概念実証)といった言葉が流行りました。実際に業務改革や生産性の向上を期待し、様々な企業がそれらを導入したようです。
年末の挨拶時にRPAを他社から導入したお客様の話を聴く機会がありました。
自社の業務にはあまり使えなかった、RPAを使える人材が自社にいなかった等、様々な問題が聞こえてきました。IOTを駆使したロボットのPoC(概念実証)に取り組んだ企業の話を聴く機会もありましたが、こちらもまだまだ成果は出ず、実証段階から次のステップに進めていないとのことでした。
 
ITという技術が働き方を変えたり、AIが輝く未来を創る訳ではないということです。
 
それを使っていく我々がお客様と一緒に課題を解決し「人が豊かになる社会の創造」を担っていくのだと思います。アイデアを創造するとか、新しいやり方を作り出すことは人にしかできません。
当社は「人を大切にする企業」を目指していますが、人を大切にするということはお客様という人に関心を持つことだと思います。その上でお客様が抱えている課題を分析し、ボーリングの1ピンにあたる提案は何かと常に考える習慣が必要となってきます。
我々IT業界全体がシステムを作るSEからお客様の経営課題や社会課題を解決するコンサルタントへとシフトを求められています。

人生100年時代へ向けて企業として有形、無形の資産を育む

2019年は社内イベントを行いましたが、小さいお子さんを連れた家族での参加が多かったのが印象的でした。
その時、感じたことは会社というのは社員が働く場であると同時に社員やその家族が生活する場でもあるということです。今後、この生活の場としての会社の役割が益々、重要になってくると思います。
 
最近は「人生100年時代」という言葉を良く耳にするようになりました。先進国では現在生まれた子供の5割が110歳まで生きるということが統計的にわかっているそうです。
日本でも2020年中に定年を70歳まで伸ばす法案が国会へ提出されそうです。
 
長期化する人生においては大きく有形と無形の二つの資産が重要になってくると考えられています。
有形資産とは収入や貯金、マイホームといったものです。無形資産とは健康や親友などで、家族と幸せに生活することもこれに含まれます。
無形資産を増やしていくには旅行やイベント、スポーツや音楽活動、レクリエーション等の活動が必要だと言われますが、なかなか個人や一家族だけでは充実させることは難しいのが現状だと思います。それを実現出来るのが会社であり、会社の社員旅行やクラブ活動なのではないかと思います。
2020年は3年に一度の海外旅行の年です。家族だけでは出来ない盛大なイベントにして、有形資産である業績と共に、同僚との友情や家族との絆、我々が大切にしている共生の文化など無形資産も併せて育んでいける年にしていきたいと思います。
この無形の資産がやがて有形の資産を育み、各家庭が潤うだけでなく100年企業へ向けてのエスピックの文化として財産になっていくことだと思います。
 
「ワークライフバランス」と似た言葉で、「ワークライフハーモニー」という言葉があります。仕事と生活はバランスをとりあうものではなく、どちらも充実させて互いに融合するものである、という意味で使われています。
このワークライフハーモニーを実感できる豊かな会社や社会を一緒に創っていきましょう。
 

本年もどうぞよろしくお願いいたしま

 

2020年1月6日

株式会社エスピック 代表取締役 白川 満貴